少年の頃からの夢「バイオリン作り」を叶えた八王子在住の市川武邦さん。
80歳を前にしてなお創作意欲にあふれる姿を取材しました。

まもなく80歳の弦楽器制作者
市川武邦さん(元八王子町在住)は、この春80歳を迎える現役の弦楽器制作者です。
制作を始めたのは、小学校校長を務めていた49歳の時。
もともとバイオリンを弾くのも、モノ作りも好きだったそうですが、「バイオリンをつくる」という本に出合い、本格的に制作を学ぶことに。
現在、自身の工房クレモーナで受注制作や修理などを続けています。
モンゴルとの縁
1月初旬、はじめて展覧会を開いた市川さんの元を訪ねました。
自作のバイオリンやビオラ、チェロなどの中で目を引いたのはモンゴルの民族楽器「馬頭琴」。

その名のごとく、さおの先に馬の頭があしらわれています。
馬頭琴作りはバイオリン作り教室の生徒から馬頭琴の修理を頼まれたことがきっかけでした。
そしてその師匠であるモンゴル人の著名な演奏家を紹介され、その縁から2010年にウランバートルで行われた国際コンテストに出品するまでになりました。
経験を糧に、夢は続く
「弦楽器の魅力は200年、300年と長い年月弾き込んでいけば、より美しい音が出せるようになること。
たとえ傷だらけになっても修理をすればよみがえり、また違う音を響かせることができることです」と市川さん。
「モノ作りは経験しかありません。繰り返しの作業の中では失敗もありますが、少しずつでも進んでいくという確かさがあります。
こうした経験の機会は、子どもたちにとっても大切だと思います」という言葉の中には、教育者のまなざしが一瞬垣間見えました。
「より美しく、より響く」弦楽器を目標に
夢は「自転車でインド北部の秘境へ行く」こと。
市川さんのエネルギーが尽きることはありません。



